国に「同性婚」に関する法整備を求める意見書
平成27年(2015年)3月、渋谷区議会は「渋谷区男女平等及び多様性を尊重する社会を推進する条例」を可決し、日本の自治体として初めて同性パートナーを結婚と同等の関係であることを証明する「パートナーシップ証明制度」が誕生した。
渋谷区は同年11月から同制度に基づく証明書の交付を開始し、その反響は大きく全国の自治体においても、根拠条例制定のほか、要綱を根拠とする制度や、宣誓書の受理を証明する制度など、様々な形でパートナーシップ制度が広がった。
このパートナーシップ制度の広がりは、同性カップルだけでなくLGBTQ+を含む性的マイノリティの人々に対する理解と配慮を社会に広げる契機となり、渋谷の取り組みは日本社会の意識を大きく変化させたものと自負する。
制度開始から11年が経過した現在、パートナーシップ制度の全国への広がりは、令和7年(2025年)5月31日現在、認定NPO法人 虹色ダイバーシティの調査によると全国で532自治体で人口カバー率は92.7%となっている。また、この間のパートナーシップ制度の累計交付件数は渋谷区の87組を含め9,837組となり、各自治体の制度は現在も問題なく運用されている。
同時に「同性婚」に対する日本の世論も、令和5年(2023年)2月の朝日新聞の調査では賛成72%、反対18%で、同じく日本経済新聞の調査で賛成65%、反対24%と「同性婚」への国民の理解も大きく広がっている。
さらに司法の場でも「同性婚を認めないのは違憲」との裁判が起こされ、令和8年(2026年)1月までに5つの高裁で「違憲判決」、ひとつの高裁で合憲と判断され、本年中の最高裁の判断がまたれる。
「同性婚」を認めることが日本の「伝統的家族観の崩壊」につながるとの意見があるが、歴史的にみても、男性を家長とする家制度の下にあった時代を含め、社会の中には一定数の性的マイノリティ当事者が存在しており、社会がそれに気づくかどうか、触れるかどうかに関わらず共に生きてきたと言える。いま当事者の願いは個人の人権の尊重と法の下での平等、そして多様性を尊重し包摂的な社会の確立である。
よって渋谷区議会は国会と政府に対し、同性婚に関する法整備に速やかに着手することを強く求める。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和8年3月23日
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
法務大臣 あて