都市における民泊の課題解決と健全な運営のための対策を求める意見書
東京都内では、都市部を中心に住宅宿泊事業(以下「民泊」という)への需要が急速に拡大しており、人口密集地において騒音、ごみの散乱、不特定多数の出入りなどにより周辺住民の生活環境との摩擦が顕著となっている。自治体では上乗せ条例の制定や運用によって対応を図っているが、その対応には限界があり、国において法制度そのものの見直しが必要な段階に来ている。
現行制度は届出制を前提としているため、問題が生じた場合でも行政は事後的な指導にとどまることが多く、十分な抑止力を発揮できていない。また民泊の開業にあたり地域住民への「説明」が義務付けられているものの、その範囲は極めて限定的であり、住民の側から民泊施設の所在、管理者、連絡先、対応に要する時間など、基本的な情報すら十分に把握できない状況にあり、住民からの不安と不信を生んでいる。そもそも無届営業の実態把握や排除も徹底されているとは言い難い。
住民が安心して暮らせる住環境を守り、民泊利用者と地域住民双方の安全を確保するため、住宅宿泊事業法について、より明確で実効性のある制度へと見直すことを強く求めるものである。
記
- 地域住民の安心・安全な生活環境を守るため、民泊は許可制とし、無許可営業などの違反者に対しては実効性のある罰則を定めること
- 各自治体が、住民が苦情を迅速に届けられるよう民泊情報を広く公開し、事業者への是正指導等を地域の実情に応じて実施できるよう、住宅宿泊事業法の改正にあたって配慮すること
- 民泊経営を行う際の地域住民や管理組合等との合意形成を義務づけること
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和7年12月10日
渋谷区議会議長名
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
厚生労働大臣
国土交通大臣
国家公安委員会委員長 あて