建設アスベスト対策の拡充を求める意見書
令和3年5月17日、最高裁判所は建設業従事者のアスベスト被害に対して、国の責任と大手アスベスト建材製造企業10社の賠償を認める判決を言い渡した。
同判決等を踏まえ、特定石綿被害建設業務労働者等に対する給付金等の支給に関する法律(略称、建設アスベスト給付金法)が成立、令和4年1月から国の拠出により、建設アスベスト被害者に対する給付金制度が開始された。
しかし、給付金支給対象者は限定されており、アスベスト建材製造企業による補償の在り方も定められていない。
また、大気汚染防止法等のアスベスト関連法改正により、規制が強化された。令和4年4月から一定規模以上の工事は事前調査結果の報告が必須となり、建物所有者である国民の負担が増加する。その負担を避けようと無届、違法工事が横行すれば、国民や建設業従事者の健康被害も心配される。
よって、国におかれては、次の事項について、必要な措置を講じるよう強く求める。
- 国は大気汚染防止法による建物解体などにおける飛散防止対策について、地方公共団体に対し必要な財政支援を行うこと。
- 国は「住宅・建築物安全ストック形成事業(住宅・建築物アスベスト改修事業)」について、建築物の所有者等に対する調査・除去費用の補助制度を拡充すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和6年3月21日
渋谷区議会議長名
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
財務大臣
厚生労働大臣
経済産業大臣
国土交通大臣
環境大臣 あて