危険ドラッグ撲滅の総合的な対策の強化を求める意見書

 危険ドラッグの吸引による事件や事故が全国で急増しており、深刻な社会問題となっている。
 東京都内においても、危険ドラッグを吸った男性が運転する車の暴走により、8人が死傷する重大な交通事故が発生するなど、危険ドラッグに起因した事件事故が相次いでいる。
 このように危険ドラッグは、吸引した人間の心と体をむしばむだけではなく、罪のない人を傷つけ、その命を奪う、まちの安全・安心を脅かす存在である。
 国は、「包括指定」制度を導入し、成分構造が似た物質を一括で指定薬物として規制し、更には本年4月から、薬事法で危険ドラッグを「指定薬物」として単純所持についても禁止したが、指定までに数か月を要し、その間に規制を逃れるため、化学構造の一部を変えた新たな薬物が出回るという状況が続き、今日まで根絶に至っていない。
 危険ドラッグは、覚せい剤や麻薬等の乱用への入口となることも懸念され、抜本的な対策が求められている。
 よって、渋谷区議会は、国会及び政府に対し、まちの安全と安心を守るため、危険ドラッグ撲滅の総合的な対策強化を強く求めるものである。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成26年10月23日

渋谷区議会議長名

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
内閣官房長官
厚生労働大臣 あて