女性のための施策の充実に関する意見書

 政府は、女性の活躍を成長戦略の柱の一つと定め、「2020年に指導的地位に占める女性の割合30%」との目標を掲げ、「女性活躍担当相」を新設した。
 また、臨時国会には「女性の活躍推進法案」を提出し、その取組の推進を「国や地方自治体の責務」と位置づけ、仕事と家庭の両立を図る環境整備などに向けた基本方針を国が策定するとした。そのうえで、国や地方自治体に加え従業員が300人を超える企業・団体に対し、女性管理職の割合や女性の採用比率、女性の勤続年数といった項目について状況把握・分析し、改善すべき事項等に関しての数値目標を盛り込んだ行動計画を定めて、これを公表することを義務付けることとした。
 今後、女性のための施策の充実を図るためには、こうした取り組みを確実に進めつつ、一層加速化していかねばならない。
 よって、渋谷区議会は、国会及び政府に対し、次の事項について適切な措置を講じられるよう強く要望する。
 

  1. 「2020年に指導的地位に占める女性の割合30%」との目標について、民間に先駆けて政府、国会、地方自治体がより早急に率先して取り組み、毎年その進捗状況について公表すること。
  2. 女性が幅広い分野で活躍できるよう、働く女性への差別を是正し、均等待遇の実現、職場復帰等の支援や、起業支援、在宅テレワークの推進など、女性が働きやすい環境整備のための支援措置を創設すること。
  3. 家庭生活と仕事を両立できるよう、育児・介護休業制度の抜本的見直しなど、同一労働にもかかわらず男女間に生じる賃金格差の実質的な解消のために必要な措置を早急に講じること。
  4. 働く女性が妊娠、出産を理由にした不利益な対応や嫌がらせを受ける「マタニティー・ハラスメント(マタハラ)」の撲滅に向け、企業などに対し、マタハラを防ぐ行動計画の策定を義務付けること。
  5. 「女性の健康の包括的支援法」の制定、女性特有の疾病予防対策、不妊治療・不育症に対する助成の拡充など幅広い支援を一層拡充すること。


以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成26年12月9日

渋谷区議会議長名

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
女性活躍担当大臣
財務大臣
厚生労働大臣
経済産業大臣
文部科学大臣
総務大臣 あて