介護保険制度の見直しに係る意見書
平成27年度の介護保険制度改正で、要支援者に対する訪問介護、通所介護を区市町村の地域支援事業へ移行することや、特別養護老人ホームへの入所者の重点化、介護報酬の見直し等が実施される。
超高齢化社会を迎える我が国にとって、介護保険制度は、高齢者が地域で安心して生活を維持するために不可欠な制度であり、その役割はますます大きくなっている。住み慣れた地域で最期まで安心して暮らし続けられるよう、国は責任をもって、医療・介護提供体制を実現すべきである。
よって、渋谷区議会は、国会及び政府に対し、次の事項について適切な措置を講じられるよう強く要望する。
- 高齢者が地域で安心して暮らせる地域包括ケアシステムを構築するために、地域支援事業の充実や地域包括支援センターの機能拡充等が必要となるが、自治体の財政負担が過重とならないよう、国において、十分な財源措置を行うこと。
- 特別養護老人ホームへの新規入所は、軽度の要介護者についても個々の事情や地域の特性に応じ、必要な人が入所できるような制度を継続すること。
- 介護サービスを適切に提供していくためには、介護従事者等の福祉人材の確保、育成が必須である。このたび介護報酬が9年ぶりに引き下げられることとなったが、このことが地域包括ケアシステム構築を妨げる要因となってはならない。したがって、国においては、慢性的な介護人材不足を解消するとともに、適切な人材の確保やサービスの質の向上に向け、総合的な対策の実施及び財政支援を行うこと。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成27年3月31日
渋谷区議会議長名
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
財務大臣
厚生労働大臣 あて